グリストラップとは?

グリストラップ(グリーストラップ/オイルトラップ)とは、レストランや給食センターなどの業務用厨房に設置する設備のことです。

油脂や生ゴミなどを含む汚水・排水を一時的に溜めて分離させる役割を果しています。
調理による汚水・排水を下水に直接流すことで発生する水質汚濁・汚染を防ぐためのもので、建築基準法、下水道法、水質汚濁防止法、保健所の営業許可基準ではレストラン、ホテル、食堂、給食センターなどすべての厨房にはグリストラップの設置が義務付けられています。

「除外施設(除害設備)」、「油水分離施設」とも呼ばれます。

グリストラップの最終処分

グリストラップには、調理油、調味料、細かい食べくずなどが溜まります。

溜まった油脂汚泥は「スカム」「スラッジ」と呼ばれ、どんどん堆積されていきます。

グリストラップに入る前の生ゴミなどは一般廃棄物になりますが、グリストラップの底に沈殿したスカム・スラッジは産業廃棄物となるため、産業廃棄物収集運搬業者と最終処分業者を介して適切に処理しなければなりません。

これに違反すると……事業者と運搬業者の双方に刑罰が科されます。

さらに、グリストラップに溜まったスカム・スラッジで排水溝・排水管に詰まりや破損が起こると、数百万円もの高額な修繕費が発生してしまいます。

グリストラップの清掃

グリストラップは、取り付けられたバスケットは毎日清掃、槽内に浮いた油は週1回の清掃、底に沈殿した汚泥は月1回の洗浄・掃除が義務付けられています。

雑菌の繁殖を防ぎ、衛生的な厨房環境を維持するためです。 しかし、多くの厨房では満足に清掃できていないのが現状。

「くさい・きたない・きつい」という、スタッフにとって避けたい3Kの作業だからです。
とはいっても、放置することには大きなリスクがあります。

そもそもグリストラップは、油脂を直接下水に流すと環境破壊につながるために法律によって設置が義務付けられている設備です。

「見たくない、触れたくない」「ちょっとくらい大丈夫」と目を背けていると、そのしっぺ返しは自分たちに還ってきてしまいます。